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個人情報保護制度の改革

村上 裕章 教授
法学部 法律学科
専門分野:公法学、行政法学

3. 改革の内容

 今回の改革は多岐にわたるが、最も重要なのが、適用される法令の統一である。

 これまでは、個人情報保護法の基本法部分(第一章?第三章)は民間部門と公的部門の両者に適用されていたが、同法の個別法部分(第四章?第六章)は民間部門にのみ適用されていた。公的部門に関しては、国の行政機関については行政機関個人情報保護法、独立行政法人等については独立行政法人等個人情報保護法、地方公共団体(地方独立行政法人も含む)については各団体の個人情報条例が、それぞれ詳しい規定をおいていた(7)

 今回の改革により、民間部門と公的部門のすべてについて、個人情報保護法(新法)が適用されることになった。同法の基本法部分がすべての部門に適用される点は変わっていない。他方で、民間部門については同法の第四章が、公的部門(国の行政機関、独立行政法人等、地方公共団体、地方独立行政法人)については同法第五章が、それぞれ適用される(図参照)。

 公的部門に適用される新法第五章は、行政機関個人情報保護法の規律を踏襲する内容となっている。これにより、地方公共団体も含めて、公的部門の規律の統一が実現された。いわゆる「2000個問題」は解決されることになる。

 また、個人情報保護委員会は、これまでの民間部門に加えて、公的部門に対しても監視権限をもつことになった。こうして、公的部門についても、EUによる十分性認定を受ける道が開かれた。