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2025.04.07
文芸学部では2024年11月30日、創設70周年事業として、DNP大日本印刷の協力を得て、「デジタル?ミュージアムの可能性—新しい管理?研究?鑑賞に向けて—」と題する催しを企画した。
この企画は二部からなる。ひとつは学生ホールを用いたデジタルコンテンツの実体験と、もうひとつはそれをもとに美術館におけるデジタル化が持つ問題点と可能性の検証を行うためのシンポジウムである。
実体験の内容としては、
①建築空間に展開する天井画などを体験する仮想空間(VR)
②展示空間をアバターで巡るバーチャル展示
③美術作品や考古学的資料を大型タッチパネルディスプレイで回転操作して鑑賞する、高精細3Dデータ鑑賞システム
④複数の資料画像をキューブ型のインターフェースで提示し、相互関係などを提示できるインタラクティブシステム
⑤スマートグラスを用いたバーチャル作品展示
また、これを踏まえて行われたシンポジウムでは、本学教員(担当者の喜多崎親教授)のみならず、制作者としてのDNPから田井慎太郎氏、デジタルコンテンツを実際に導入活用している現場の美術館員として、東京富士美術館の鴨木年泰学芸課長がパネラーを務め、50名ほどが参加し、美術館におけるデジタルコンテンツの現状、可能性、問題点などが紹介され有意義であった。特に鴨木氏は、美術館の展示室から遠隔参加され、実際の展示や機器を使って具体的なお話しをしてくれた。
近年、各地の美術館でも現在各館で所蔵作品のデジタル化とその活用が検討されており、学芸員課程をもつ本校にとって実にタイムリーな企画となったと考える。
展示の全体像
右手前VRコーナー、中央奧バーチャル作品展示、左奥バーチャル空間展示、左中央キューブ型インターフェース、左手前高精細3DCG
VR空間の体験
ヘッドマウントディスプレイを装着することで、パリのフランス国立図書館リシュリュー館の天井画を、VR空間として歩きながら鑑賞している
バーチャル作品展示
スマートグラスを装着することで、目の前に実際に作品があるかのように体験できる。物質として触ることはできないが、手でイメージを動かすことはできる。
シンポジウムの様子