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  • 2025.12.23

    『カムイのうた』上映会報告 「多文化共生社会の実現、差別のない世界を目指す」

 2025年12月12日(金)に、映画『カムイのうた』の上映会を開催しました。『カムイのうた』は、アイヌの少女テルが差別に立ち向かいながらアイヌ文化を未来へ託す物語です。上映会は、研究「キャリアの多様性と社会正義における対話の可能性」の一環で、本映画の趣旨「多文化共生社会の実現、差別のない世界を目指す」をテーマに開催しました。会の冒頭には北海道東川町(『カムイのうた』製作協力)の菊地伸町長のメッセージをビデオで伝え、続いて映画本編(約125分)の上映、その後に約30分間の対話の機会を設けました。

画像は『カムイのうた』公式ページより引用
画像は『カムイのうた』公式ページより引用

日時:2025年12月12日(金)16:30-19:30
場所:澳门网上博彩_澳门现金网-在线官网007教室
参加者数:32名 参加費:無料
協力:北海道東川町 後援:澳门网上博彩_澳门现金网-在线官网教育研究所

本上映会は正課科目「キャリア?プラクティスⅥ〈多様性と社会正義〉」の授業を一般公開する形で実施しました。

映画視聴後の対話の様子

学生の感想(映画の視聴と対話を通して感じたことなど/抜粋)

 『カムイのうた』の視聴の機会を与えてくださった東川町の方々、そして一緒に対話をしてくださった皆様、本当にありがとうございました。これまで私はアイヌ民族について何も知らなくて、日本にはアイヌ民族がいるという事実しか知りませんでした。映画を観る前に事前知識としてアイヌについて調べていくうちに、日本語とは全く違う言語を話し、和人(大和民族)によって日本語を強制的に与えられ、歴史を伝える文化を制限されたなどの過去があることを知りました。今現在では国や人種が違うことによる人種差別などがありますが、日本という国の中で民族が虐げられるなどの差別が起こっていたことを知り、驚くと同時に無知な人間の恐ろしさを感じました。映画の中では、主人公テルとテルの叔母がユーカラを歌っている場面が印象的でした。歌を使って口伝えで歴史を伝承していくのは綺麗でとても儚いと感じました。テルが19歳で亡くなってしまったのはとても驚きました。今の自分と同い年で、自分の人生はこれからだと思っているので、こんなに早く亡くなってしまうのはとても惜しく耐え難いことだと思いました。人種や民族の違いによって差別をすることは決してあってはいけないことだと思います。これまでの授業(HIV/エイズに関する課題)の時にも感じたことですが、一人ひとりを知ることが大切ですし、自ら知ろうと思うことが必要だと思います。

 今回の授業では、多文化共生を考える導入として、アイヌ民族への差別を描いた映画『カムイのうた』を鑑賞し、その後、学内外から参加した方々と意見交換を行った。映画の中で特に強く心に残ったのは、いじめや同化政策といった分かりやすい抑圧以上に、「人類の起源の研究に必要だ」という名目で、アイヌの人々の許可なく墓を暴き、遺骨や遺品を持ち去る描写だった。そこには露骨な悪意ではなく、学問や研究という正しさに覆われた行為があり、悪意のないまま他者を深く傷つけてしまう構造の存在に衝撃を受けた。上映後の意見交換では、参加者が歴史的?地理的な背景を踏まえて話を広げており、正直なところ理解が追いつかない部分も多かった。しかし同時に、そうした視点の厚みや教養の使い方そのものが、学びの姿勢として強く印象に残った。自分はまだ、限られた知識の範囲でしか物事を捉えられていないのだと実感させられた時間でもあった。この授業を通して、多文化共生とは「仲良くすること」や「分かり合うこと」だけを指すのではないと感じた。ときには互いに干渉せず、相反する立場や価値観が存在したままでも、力によって抑圧しないこと。その前提の上で、影響し合い、変化が生まれていく関係こそが多文化共生なのではないかと思う。重要なのは、文化の違いそのものよりも、その間にどのような力関係があるのかを見失わない態度だと、今回の授業から学んだ。

 教科書でアイヌ文化振興法やアイヌ施策推進法などの法律を学んだことがあるのですが、実際にどのような差別を受けていたのかを知らないまま、法律を覚えていました。今回『カムイのうた』を見たことで、私はアイヌ民族の方の実際の生活や思いを初めて知ることができました。同じ日本で生活しているアイヌ民族の方は、とても辛い差別を受けていたのだと、心が苦しくなりました。その中で、テルさんをはじめアイヌの方々は辛い思いをしながらも、先祖からのアイヌの文化を守るために、強く闘っている姿に感動しました。特に、アイヌの方が何回も言っていた「同じ人間なのに、アイヌに生まれただけで差別される」という言葉にとても辛くなりました。日々辛い思いで生活している中、兼田教授がアイヌ民族を守る姿に私は感動しました。兼田教授がテルさんにノートを渡し、テルさんがユーカラを文字で残したからこそ、今私たちはアイヌ民族の方の思いや苦労、努力を知ることができていると思いました。世界に誇れる文化を持ったアイヌ民族の方達の強い気持ちや、差別を受けながらも懸命に生活している姿をこの映画を見て知ったからこそ、私はこれからアイヌ民族を支えて守っていきたいと思いました。アイヌ民族の方はとても格好よかったです。映画をみた後の対話では、とにかくこのような事実があったことを知ることが大事だという話になりました。今回の映画をきっかけに、これからもアイヌ民族を大切にするために、アイヌ民族についてもっと調べていきたいと思いました。

 鑑賞後のディスカッションでは、差別についてゲストの方々と意見を交わしました。これはアイヌに限らず、性別や国籍など、現代社会でしばしば差別の問題として取り上げられる事柄にも共通していると感じました。ある特定の人々を一つのカテゴリーにまとめ、勝手な印象や固定観念で決めつけることは、個人としてその人を見ていないということだと思います。人それぞれに違いがあるのは当然であり、私たち自身も無意識のうちに人を分類し、差別的な視点を持ってしまっている可能性があることを自覚し、注意深く考える必要があると感じました。映画の中で流れていたユーカラや楽器の音は、自然の中で聞いたことがあるような感覚を覚えさせるものでした。そこから、アイヌ文化が自然と共に生きることを大切にしてきた文化であることが伝わってきました。

参加者の感想(映画の視聴と対話して感じたことなど)

 映画『カムイのうた』を拝見し、私はこれまで、アイヌの方々の歴史や歩んでこられた道のりについて、ここまで深く知ろうとしてこなかったことに気づかされました。そのことを思うと、申し訳ない気持ちとともに、自分自身の視野の狭さを省みる時間となりました。病気や結婚、戸籍、差別といったテーマは、どれも一人の人生に深く関わるものです。それらが時代や制度の中でどのように扱われ、選択の余地が限られてきたのかを知り、胸が苦しくなる場面もありました。特に心に残ったのは、「何よりも幸せになってほしかった人」の無念です。その思いに触れたとき、過去の出来事でありながら、決して過去だけの問題ではないと感じました。この映画は、「知ること」そのものよりも、知ったあとに自分はどう在りたいのかを、静かに問いかけてくる作品だと思います。
 上映後のディスカッションは、映画を観たあとに心の中に残っていた痛みや違和感を、急がずに見つめ直す時間だったように思います。一人で映像を受け止めていたときには、あまりにも重く、言葉にならなかった感情が、対話の場に身を置くことで、少しずつ輪郭を持ちはじめました。なかでも印象に残っているのは、主人公と同世代である大学一年生の学生さんの感想です。初めて知る事実に戸惑いながらも、自分の言葉で受け止めようとする姿はとてもみずみずしく、「知る」ということの始まりの姿を見せてもらった気がしました。その真摯なまなざしに、胸を打たれました。ディスカッションの中では、アイヌと和人の関係、病気や結婚、戸籍、差別、伝承のための教育、そして研究という名の略奪など、さまざまなテーマが自然と語られました。それらはどれも、歴史や制度の問題であると同時に、一人ひとりの人生に深く関わる問いであり、「幸せに生きるとはどういうことなのか」という根源的な問いへとつながっていきました。映像として突きつけられた内容は、私にとって非常に痛く、今も深く胸に刺さっています。そして、知ってしまった以上、もう知らなかった頃の自分には戻れないのだと感じています。ディスカッションの時間は、その事実を否定するのでも、急いで答えを出すのでもなく、引き受けていくための静かな時間だったように思います。『カムイのうた』の監督が今年十一月に逝去されたことを知り、この作品に込められた思いは、観た者一人ひとりに託されているのだとあらためて感じました。このディスカッションを通して生まれた揺らぎや問いを、ここで終わらせるのではなく、私なりの小さな行動として、これからの時間の中で受け止め、つないでいきたいと思います。

映画『カムイのうた』概要

アイヌの少女テル。大正期、ユーカラを文字に残す決意で上京し、民族の誇りと言葉を未来へ託す。やがて北海道に戻れぬ運命とも対峙する。真実の記録(公式ページをもとに要約)。

映画『カムイのうた』(監督:菅原浩志 製作協力:東川町)
https://kamuinouta.jp/
『カムイのうたの学校』(アイヌ共生プロジェクト 東川町?北海道新聞社)
https://moula.jp/LP/kamui/ 
動画『ヌプリコロカムイノミ』(監督:菅原浩志 製作:東川町)
https://youtu.be/mdyPLPNeT5I?list=PL0r-GH27V76O0-PnCN3F8rM8_s0zDJcRH

本映画の監督 菅原浩志様が11月12日に逝去されました。謹んでご冥福をお祈りいたします。

本上映会は澳门网上博彩_澳门现金网-在线官网教育研究所の2025年度教育研究助成を受けて実施しました。
研究課題:「社会正義を志向するライフ?キャリア教育の実践と意義の検討」(2024-2025年度)

参考:2025年度『カムイのうた』上映会 イベント案内
/events/cvt4qu000000t1kk.html
参考:正課科目「キャリア?プラクティスⅥ〈多様性と社会正義〉」シラバス(2025年度)
https://lc.seijo.ac.jp/lcu-web/SC_06001B00_22/referenceDirect?subjectID=202700695711&formatCD=1

文責?撮影?科目担当者 勝又あずさ(澳门网上博彩_澳门现金网-在线官网 キャリアセンター)